ありがタイ村物語=まえがきではなくまえおきのお話=

ナーシンとナーサイという集落を結ぶ10kmほどの一本道。

両集落ともに巨大な集落というわけではなく、

10kmほどの一本道でも、その沿道のほとんどは、

田んぼと畑、そしてゴムの林で占められている。

一本道を通る車やバイク、トラクターも、

それらの田んぼや畑、ゴムの林に行く集落の人々が畑仕事に行くためのものである。

集落を外れたところの道に立つと、

周りは見渡すかぎりの田んぼや畑、ゴムの林。

その遠く向こう側に、低い丘のような山が連なっている。

ラオスとの国境に接するこのタイのいなかでも、

都市化の波はすぐそこまで押し寄せているのだが、

このエリアだけはなんだか時が止まったかのように、

数十年この景色が保たれている。

 

 

そんな、なんにもないタイのいなかの片隅であるが、

ナーシンの集落がちょうど途切れたあたりに、

少し集落とは雰囲気の違ったいくつかの建物が右手に見えてくる。

 

道路に面したところには、こじんまりとした雑貨屋とその店先の広場のようなスペースがあり、

その奥に数軒の家と、10軒ほどのバンガロー。

そして一番奥の方にはまるで学校か役所かといったような大きな建物。

広場の片隅には、大きな石碑のようなものがあり、

そこには、達筆と呼んでよいものか微妙な字体で、

と大きく彫られていた。

 

 

 

その広場の一角、

大きなマンゴーの木陰に、

石でできた丸テーブルと椅子が置かれている。

いつも決まった時間に、老人がその椅子にちょこんと腰掛けていた。

毎日決まった時間に、奥の方からひとりで歩いてきて、

大きなマンゴーの木陰の椅子に腰を下ろす。

しばらくすると、

学校や幼稚園から帰ってきた子どもたちが、

その周りに集まりだす。

時には、畑仕事帰りの大人がそこにまじることもある。

 

しばらくすると、老人がおもむろに話しはじめる。

『さて、今日はどんな昔話をしようかのぅ』

 

 

関連記事

  1. 『ありがタイ村物語』はじめます。

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

リスクなしの投資はじめませんか

コインポイン